サプライチェーン・キャッシュ・コンバージョン・サイクル(SCCC)など、日本の金流の課題

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サプライチェーン・キャッシュ・コンバージョン・サイクル(SCCC)など、日本の金流の課題

経理業務効率化の必要性

各企業において請求書の付け合わせ、手形・小切手の管理、税・公金の手続きなど、紙媒体での業務が負担となり、特に人的リソースが限られている中小企業では、経営者、現場責任者等が総務や経理といった間接業務を兼任するケースも多く、企業間取引に関しても月末の請求書発行や売掛金の消込等の経理業務に膨大な労力を割くなど、4割の中小企業で売掛金の入金確認作業に10時間以上を費やしているとの調査結果もある。(中小企業庁「決済事務の事務量等に関する実態調査 調査報告書」2017年3月)

資金繰り円滑化の必要性

日本の企業間取引は受発注から決済までの期間(支払サイクル)が諸外国と比べて長く、デジタル化の推進は、業務の効率化とともに、資金繰りの円滑化についても大きな役割を果たす可能性が高い。

サプライチェーン・キャッシュ・コンバージョン・サイクル(SCCC)

サプライチェーン全体における資金効率化度合いを測る指標としてサプライチェーン・キャッシュ・コンバージョン・サイクル(SCCC)がある。

一般に用いられるキャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)は「回収は早く、支払は遅く」することで短縮できるが、自社の支払サイトの延長は、他社の回収サイトの遅れとなるため、サプライチェーン全体としての資金循環の効率化には必ずしも結びつかない。

それに対し、SCCCは「回収も支払も早く」することで短縮できる指標となっている。

SCCC(日)=受取債権回転期間(日)+棚卸資産回転期間(日)+買入債務回転期間(日)

帝国データバンク「FinTech導入による地域企業の収益力向上度測定指標の在り方に関する調査検討事業 調査報告書」(2018年3月)によれば、製造業の非上場企業におけるSCCC(2008~2015年度の8年平均)をみると、日本は167日であるのに対し、米国は164日、英国は159日、ドイツは122日となっている。

「月末締め・翌月支払い」に代表される、掛取引を前提とした商慣習も一定程度影響していると言われ、中小企業のなかでも特に規模が小さい事業者の資金繰りに大きく影響しており、ファクタリング等による売掛債権の早期現金化のニーズが高いことから、中小企業の資金繰りを円滑化する工夫が求められる。

米国では商流のファイナンスが主流となりつつあり、日本でもそうした仕組みの普及が期待され、従来の財務諸表ベースの企業評価、および土地等の担保提供による融資に加えて、受注や納品・検品の段階で売掛債権を担保とした融資を受けられる仕組みなどが普及することで、中小企業の多様な資金調達ニーズが満たされ、データの共有・活用によって企業の信用を可視化できるようになる。

従来、企業の強みは主に財務指標で測られてきたが、EDIでの取引履歴など、信頼性の高い様々なデータで相手先企業を評価できるようになれば、中小企業における資金調達コストの低減につながることが期待され、知名度は低いものの実力と実績のある中小企業が、知的財産等の強みも含めて評価される機会が広がり、信用の補完による資金調達コストの低減、さらにはM&Aにおけるデューデリジェンスの容易化などに結びつくことが考えられ、データによって企業間で相互に信用を評価できるようになれば、資金調達だけでなく、新たな取引や協業が容易となる。

そうした期待が、中小企業におけるDX投資へのモチベーションともなり、中小企業における人手不足・高齢化が深刻化するなか、熟練技能者・高度人材の高齢化や後継者の不足が企業の信用に与える影響が大きくなっており、そうした社会課題も踏まえながら信用を可視化できる仕組みが求められる。

 

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